自動車保険に加入するメリット

事故の当事者になってしまう可能性があることは、自動車を運転する人にとって避けられないリスクです。
万が一の事故に備えて、任意の自動車保険に加入することを検討する必要があります。
ここでは、自動車保険の仕組みや加入するメリットについて解説します。

自動車事故による3つの責任

自動車事故で他人を死傷させてしまった場合、刑事責任、行政上責任、民事責任を背負うことになります。

①刑事責任・・・・・

加害者が被害者を死傷させた場合は、自動車運転致死傷罪になります。
・自動車運転過失致死傷罪（7年以下の懲役・禁錮または100万円以下の罰金）
・危険運転致死傷罪 （負傷：15年以下の懲役、死亡：1年以上の有期懲役（最高20年）
・殺人罪 （死刑または無期もしくは5年以上の懲役）
・救護処置義務違反（5年以下の懲役または50万円以下の罰金
・ひき逃げ：10年以下の懲役または100万円以下の罰金）
・無免許運転（1年以下の懲役または30万円以下の罰金）
・酒気帯び運転（3年以下の懲役または50万円以下の罰金）
・酒酔い運転（5年以下の懲役または100万円以下の罰金）

②行政上責務・・・・・

交通事故や交通違反をすると行政庁からペナルティが課せられます。
・反則金の支払い
・免許の停止（停止の点数に達したとき）
・免許の取消（取消しの点数に達したとき）

③民事責任・・・・・

加害者が被害者に与えた損害をお金で償う責任を負うことになります。
財産的損害【積極損害・消極損害】：治療費・交通費・葬儀費用・車両修理費用・休業損害・後遺障害逸失利益・死亡逸失利益等
精神的障害：入通院慰謝料・後遺障害慰謝料・死亡慰謝料等<

※本情報は 平成26年に調べたものであり、法改正や事故内容に応じ科せられる責任が変わります。
詳しくは、ご自身で警察、弁護士にご相談ください。

これら3つの責任のうち、③の民事上の責任については、自動車保険に加入することで、負担を軽減することが可能です。

自動車保険の種類について

自動車損害賠償保障法により、全ての自動車保有者に加入が義務づけられている自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)は、 自動車購入時に加入し、車検のタイミングで3万円程度の保険料が徴収されます。
しかし、自賠責保険で支払われる保険金は、死亡時で最高3,000万円、後遺障害時で最高4,000万円までとやや低額です。
前述のとおり、今日では死亡時の損害賠償額が１億円を超えることも多く（最高額は5億円以上）、自賠責保険の3,000万円ではとても賄いきれません。
そこで、多くの自動車保有者が加入しているのが、民間の保険会社による自動車保険。 加入するかどうかはあくまで任意のため、「任意保険」と呼ばれています。

メニューが豊富な任意保険

自賠責保険が補償するのは人身事故のみですので、死傷者が出たときにしか保険金は支払われません。
一方、任意で加入できる民間の自動車保険は非常に種類が豊富で、相手方への補償では「対人賠償責任保険」と「対物賠償責任保険」があります。
また、自分や同乗者に対する補償として
①搭乗者傷害特約 ・ ②自損事故傷害特約 ・ ③無保険車事故傷害特約 ・ ④人身傷害保険 があります。
さらに車への補償として「車両保険」、「車両付随損害保険」などがあります。

必要に応じてカスタマイズできる

保険加入者は必要な保険を組み合わせることができ、補償の上限金額なども設定することが可能です。
例えば、自分が加害者になった場合、被害者への賠償を全額保険で支払えるように、 「対人」と「対物」を「無制限」にしたり、事故で入院した際の休業補償が付く「人身傷害」を高めに設定することもできます。
また、年式の古い車に乗っている人は「車両保険」をあえて付けないという選択肢もアリでしょう。
自分の立場や状況に応じて補償内容を選択できるのが任意保険のメリットですので、 保険料を少しでも安くしたい人は補償内容を見直し「地震、噴火、津波危険車両全損時一時金特約」など不要と思われる特約を外すと良いでしょう。
その他には、「運転者年齢条件35歳以上」、「運転者限定特約」「ゴールド免許」「年間走行距離」などの条件を満たすことで、保険料が安くなる特約もあります。

備えあれば憂いなし、あなたに合った自動車保険を賢くプランニングしましょう。